その二十一 「弁天山美家古寿司」

 「與兵衛鮨」の流れを汲むとされる千住「みやこ」が創業したのが1848年頃。千住「みやこ」はすでに閉店しているが、「みやこ」で修業した伊藤久助氏が1866年に創業したとされるのが浅草「弁天山みやこ寿司」である。二代目が内田金七氏とされる。(「弁天山美家古寿司」のホームページには内田金七氏が創業者となっている。)

 三代目内田竹三郎氏の時に「弁天山美家古寿司」と改名した(「弁天山美家古寿司」のホームページより)。

 四代目の内田栄一氏は「江戸前の鮨」(1989年 晶文社)や「浅草寿司屋ばなし」(1990年 筑摩書房)を残し、五代目の内田正氏は「これが江戸前寿司」(1995年8月 筑摩書房)の中で、修業時代の様子やすしの握り方などについて著している。現在は六代目の山下大輔氏とともにつけばに立つ。

 美家古には酢飯を50年以上炊き続けた松本兼吉氏という職人がいた。明治18年(1885年)二代目内田金七氏の時に入店し、昭和20年に戦争で亡くなるまで鮨飯炊きに生涯を打ち込んだ。(「浅草寿司屋ばなし」内田榮一著)

 「弁天山美家古寿司」の弟子としては四谷「纏」(閉店)の遠藤明氏がいる。

 

 

 

 





 

 

  • 参考書籍

 

江戸前の鮨」内田栄一著 1989年 晶文社

「浅草寿司屋ばなし」内田栄一著 1990年 筑摩書房

「これが江戸前寿司」内田正著 1995年 筑摩書房

江戸前にぎりこだわり日記」川路明著 1993年 朝日出版社

「東京のすし通になれる本」東京生活別冊 2006年 枻出版社

「寿司のこころ」 2015年 枻出版社

「寿司を極める。」 2018年 宝島社

「寿司Complete」 2019年 枻出版社