その二十九 「都寿司」

 日本橋蛎殻町「都寿司」は明治20年(1887年)創業の老舗。初代は山縣太三吉氏で以前からすし店を営んでいたが、その詳細はわからず、明治20年創業としたとのこと。二代目は山縣浅七氏。三代目山縣曻太郎氏が山縣正氏の父で、第二次世界大戦後は自転車修理業を営んでおり、その資金で1950年(昭和25年)に「都寿司」を再開した。その後、1948年(昭和23年)生まれの山縣正氏が1986年(昭和61年)から四代目として店を継いだ。全国すし商生活衛生同業組合連合会の会長を務める。現在は五代目として2021年から山縣秀彰氏が継承し、山縣正氏が後ろから店を支える。

 群馬県館林市「鮨恵三(めぐみ)」の荻原裕司氏は「都寿司」で修業を始め、札幌「すし善」に移り、館林に戻る前の2年間は杉田孝明氏の「日本橋橘町都寿司」に在籍した。荻原裕司氏は三代続くすし職人で、店名は祖父の店「恵三郎」に由来する。

 郡山の「鮨来多老(こたろう)」の羽生孝太郎氏も「都寿司」の出身。その他には両国「鮨北条」の北条充氏など。

 

 (2021年2月7日、当ブログの閲覧者様からの情報をもとに一部訂正しました。)  

 

(追記)2023年7月23日

 本文および系譜の一部を修正・追記しました。

 

 

 

 

 













 

 

  • 参考書籍・その他

 

dancyu」2017年1月号 プレジデント社

dancyu」2020年1月号 プレジデント社

「美味サライ」 今行くべき口福の鮨 2019年10月 小学館

dancyu プレジデントムック 「すし」神髄 杉田孝明」 プレジデント社

「すしの雑誌(第20集)」 旭屋出版