その五十八 「寿司政」

 九段下の「寿司政」は文久元年(1861年)に初代戸張好造氏が日本橋の屋台で商売を始め、二打目太田福松氏は神田三崎町の歌舞伎小屋ですしを握っていたとある。二代目の長男として生まれた戸張政次郎氏の時に今の九段下に店を構え、現在は四代目の戸張太啓寿氏が店主を務め、五代目の戸張正大氏とともに暖簾を守っている。以上については「寿司政」のホームページをご参照いただきたい(http://www.sushimasa-t.com/aisatsu/index.html)。

番外編その一 「現存する老舗江戸前すしの店」 - すしの系譜

 

 160年あまりの歴史の中で「寿司政」で修業した職人も数多いと思われるが、近年独立した出身者として新橋「すし処まさ」の鈴木優氏がいる。「すし処まさ」はわずか3席(詰めて4席)で極めて予約困難な店として知られる。鈴木優氏は「寿司政」修業後に十条に「匠海」という店を開業したが、手の届く小さい店舗と言うことで現在の場所に移ったらしい。

 「寿司政」出身としては金沢「鮨処こいづみ」の小泉英樹氏や荻窪「鮨きたがわ」の北川俊介氏がいる。

 

 

 

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