その六十一 「すし善」前編

 

 嶋宮勤氏は1943年(昭和18年)北海道小樽で生まれ、中学卒業と同時に上京して銀座のすし店で修業。1年で北海道に戻り札幌のすし店で3年。その後上京して横浜のすし店で3年修業した後に「なか田」に入り、中田一男氏のもとで修業した。

その十三 「奈可田」 - すしの系譜

 1968年に札幌に戻り1971年に札幌すすきのに「すし善」を創業した。1984年には円山に本店を移転。2018年7月にリニューアルオープンして現在に至る。2002年に東京汐留に出店(現在の「美寿思」の場所)、その後、2011年に銀座に移転した。

 

 その「すし善」の出身者は多数おり、全国で活躍されている。

 眞田光保氏が「すし善」から「善」の字を受け継ぎ「たる善」を創業したのは1989年頃のこと。2008年に店舗を移転して現在に至る。2007年4月には新丸の内ビルディングに「たる善丸の内店」をオープンした。その「たる善」で修業した大阪智樹氏は2010年9月に「鮨棗(なつめ)」を独立開業。「鮨棗」は現在、札幌に4つ、東京に1つの店舗を展開している。2011年に姉妹店の「鮨葵」をオープン。その後「鮨棗」と店舗合併や移動などがあり、現在の場所は2018年4月からで、店主を務めるのは浦仁(うらじん)氏。

 札幌「○鮨(まる鮨)」は1987年の創業で初代の川崎武司氏は「すし善」出身。現在はハワイのワイキキで「○鮨」(2017年2月オープン)を営んでいる。二代目川崎純之亮氏は銀座「小笹寿し」で5年間修業後、2016年1月に父から店を引き継いだ。

その三十五 「小笹寿し」 - すしの系譜

「鮨匠嵯峨野」は小山内時勝氏の店で1991年頃の開業。二代目の息子さんも「すし善」での修業歴があるとのこと。「すしのかま田」の鎌田秀三氏は「すし善薄野店」の店長を長年勤めた後、独立開業した。「すし田」や「すし善すすきの店」で修業した中野健一郎氏は札幌郊外に「鮨なか」を2007年に開業。

 「鮨一(すしかず)」は1989年創業。旭川出身の内田一行氏は「東寿し」(閉店・1875年(明治8年)創業で札幌最古のすし店だった。)「すし善」で修業して独立した。2008年頃に現在の場所に移転。「鮨一」出身の船渡寛一氏は「鮨かん壱」を2018年10月にオープン。

「すし処ひょうたん」は「すし善」の一番弟子である会津出身の渡部氏?が1980年代に開業した。「鮨処有馬」の有馬正隆氏は北竜町出身。「すし処ひょうたん」から2003年に独立開業。また「鮨処よしな(仁)」は2012年6月開業。店主の吉田和晃氏は「すし善」「すし処ひょうたん」で修業して独立した。

「すし善」や銀座「鮨処順」などで修業した工藤真也氏が2008年に開業したのが「鮨富士」。

 静庸介氏は18歳の時から「すし善」で10年あまり修業して独立。「すし処静(しずか)」を2011年にオープンした。札幌市内のホテルや金沢の日本料理店で修業した弟・静裕介氏と途中から一緒に営んでいたが、静裕介氏は2019年10月に和味酒彩「秋夏(しゅうか)」として独立。

 

 

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