その五十六 「高勢」

 大正15年(1926年)「高勢」は台東区根岸に開業した。当時、根岸は花街として栄え、料亭街を形成しており、「高勢」も多くの座敷を有するすし店で、著名人も多く訪れる名店であった。初代は高橋清太郎氏で、通名として京嗣(きょうじ)と名乗っていた。二代目の長男は経営者ですし職人ではなく、二代目の時に根岸の店は閉店となる。すし職人としては次男の高橋政嗣(まさじ)氏が継承しており、浅草に「新高勢」として再興し、その後「高勢」と名称を変更、最盛期には二号店(西浅草店)を構えていた。「高勢西浅草店」は「浅草貴乃」となっている。

 高橋政嗣氏のご子息である高橋明義氏が2010年に根岸「高勢」の跡地に「和びすとろ鮨 明」を開業した。高橋明義氏は父政嗣氏の紹介でお茶の水「小川軒」などで洋食の修業を行い、ホテルミラコスタでドアマンでの経歴もある。2012年に高橋政嗣氏は浅草「高勢」をたたみ、明義氏の店の手伝いをすることとなり、店名も「鮨明高勢(あきたかせ)」となった。

 根岸「高勢」の流れを汲むのが「大塚高勢」で1963年に大塚に暖簾分けの店を開き、2019年に現在の場所に移した。

 浅草「高勢(新高勢)」で修業したのが紺野勝利氏で、2014年に「浅草高勢」をオープン。また橋口安広氏は2004年に浅草に「鮨 橋口」を開業した。橋口安広氏は2017年に逝去され、奥勝次氏が二代目として継承している。

 

(追記)2021年4月14日

 浅草「鮨橋口」の奥勝次氏が「鮨奥」として独立開業。オープンは2021年4月10日。

 

 

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